毎日モザイク

White Room Layout Works

2008-07-02T20:51:00+09:00 [Wed]
--> [遺跡]

屋根萌え。

会社の隣で、写真展をやっていたので覗いてみたら、屋根。

建築写真家の大橋富夫という方なんですが、ちっとも存じ上げません。すみません。

建物には興味無いんですよね……。建材萌えなんですが、出来上がった建物はあんまし……。

でも、これはどう見ても屋根萌え写真集です。

歴史だの、そういう構造に至った経緯だの、解説文も入っていますが、俺には付録に過ぎません。

何といっても、本題は、屋根。屋根屋根山。屋根屋根森。屋根屋根空。屋根屋根海。屋根屋根屋根です。

茅茅板。藁藁藁。板板石。杉皮杉皮石。竹竹荒縄。瓦はそれらに比べるとそれほどでもありませんが、甍の波ですからそれはそれで萌えます。

石のせ系の屋根は、ちゃんと雨上がりを待って撮ったものが多く、非常に美しいです。さすがその筋の専門写真家ですね。と怖いもの知らず(マジで全然知らない)で言ったら、先生は、わかってもらえてうれしいとおっしゃってました。

それに負けず劣らず、板。

板の壁が、風雨に晒されて、冬目が盛り上がった(実際は、夏目が痩せた)様など、木目萌えにはもう……。高級住宅なら、灰渋で黒塀ふうにしたり、柿渋直塗りにしたり、紅殻を塗ったりしたでしょうが、これに写ってる板は、むき出しものが多く、ヤレ具合がたまりません。

バーナー仕上げなんか、これの模倣でしかないわけです。

古い写真なので、そこらへんに蚕棚なんかが転がっちゃってたりもします。お蚕様がここで暮らしていらっしゃったと思うだけでもムニュムニュしますね。

写真集としてみるとアフォみたいに高いですが、頑強な造本(ハードカバー、布貼り、銀箔押し、箱入り)。建物系の定石のマット系の用紙にダブルトーンのモノクロ。版元の人が、図書館と大学に売ったら終了って言ってたくらい売れないことを考えれば仕方ないお値段なのでしょう。ただ、屋根萌え普及のためにも廉価版が欲しいところです(ちなみに、社内の制作の人に聞いてみたら、普通に売れるものなら、1万前後が妥当な線とのことなので、どんだけ少部数かが伺えます(笑))。

大判から焼いた物らしく、ニュートンリングが発生しているカットが数点あるのと、記録性を優先したためか、写真集としては微妙な、ブレっぽいカットも収録されているのが、屋根萌え写真集としては残念ですが、全体的には激萌えです。

茅葺き屋根系の写真集は、近年のものだと4000円前後でカラーのやつがあったりしますが、いまどき残っているのは「残している」屋根であって、そこらへんに普通にある屋根ではないわけですよ。普通のフェンダーと、レリックものの違いとでもいうか……。古い屋根ものもあるにはありますが、学術系で、全く興味がわきませんし、写真集ではないわけです。

写真集なんか買うのは5年ぶりくらいです。恐ろしいお値段でしたが、いい買い物をしました。Amazon屋さんでも売ってます。屋根萌えな方にはお値段無視して、オススメ。

「日本の民家 屋根の記憶』。版元は彰国社さんです。画像満載の材料ものなら仕事をやりたくて堪らないのですが、技術系が多いからそっちだとムリだなぁ……。